トランプ大統領・アメリカ大統領選

トランプに煽られて、日本も戦争のできる国になるのか?国際法学者小野義典の論点

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そもそも戦争ってなんだ?

現代人もまだまだ無関係ではない

何があっても絶対にしてはいけないもの、

として小学校から叩き込まれる「戦争」

もちろん、戦争が起こることによって、
死者や負傷者、戦災孤児、町の破壊など、
様々な不幸を撒き散らすため、
あってはならないものです。

が、現実を見たら、
ついこの間もウクライナ南部のクリミア半島を
ロシアが武力制圧するなど、
戦争は完全になくなってはいません。

戦争直前の挑発行為なら、日本もたくさん受けています。

漁船を装った武装船の領海侵犯や、
領空侵犯、領土を掠め取られそうになっていたり、
国民も拉致されています。

挑発行為どころの話ではありませんでしたね。

特に拉致被害者については、高齢になっていることから、
一刻も早い救出が必要です。

戦争とは何なのか?

さて、一言に戦争と言いますが、
国際的に見たときに戦争とはどういうものでしょうか?

国際法学者の小野義典さんが動画で解説をしています。

戦争には実は種類があった!戦争の三類型

一言に戦争と言いますが、実は戦争には以下の3種類があるそうです。

1.侵攻戦争(イメージは侵略戦争)

2.自衛戦争

3.制裁戦争

それぞれ簡単に説明していきます。

1.侵攻戦争(イメージは侵略戦争)

「侵略」という言葉が持つイメージはこんな感じじゃないでしょうか?

他国のことを侵害する、ものすご~く悪いこと

実は「侵略」という言葉は定義が曖昧で、
「侵攻」という方が適しているそうです。

「侵攻」とは、

武力によって相手の資源や領土を掠め取ること。

つまり、軍隊などを派遣して、
他国の領土や資源を自分のものにしてしまうこと、
これが侵攻です。

2.自衛戦争

侵攻を受けた場合、自国民や領土、資源を守るために、
戦わなくてはなりません。

これが自衛戦争です。わかりやすいですね。

3.制裁戦争

例えば、侵攻を受けた国が、自衛しきれずに負けてしまったとします。
そういった場合に、国際社会が侵攻をした国に、
占領した領土や資源の解放を要求します。

それでも相手が応じない場合、
武力によって制裁を加える事で、
占領された国を助け出します。

このような、国際秩序を守るために行われるものが、制裁戦争です。

戦争をコンプリートした湾岸戦争

実は、3種類の戦争をコンプリートした戦争があります。

簡単に言うと、

イラクがクウェートに侵攻し、国連軍に制裁された戦争です。

1.侵攻戦争

イラクがクウェートに油田を求めて侵攻戦争を仕掛けます。

2.自衛戦争

クウェートは侵攻されたので自衛戦争を行ないます。

しかし、残念ながら負けてしまいます。

3.制裁戦争

国際社会が外交的に交渉しても、イラクはクウェートを解放しません。

そこで、アメリカを中心とした多国籍軍が、
国連決議を経てイラクを空爆するなど制裁します。

これにより、クウェートは解放されます。

国連憲章と宣戦布告

実は戦争にはルールがあります。

・相手の国に宣戦布告を行なう

・軍人と民間人は区別がつくようにする

・民間人には手を出さない

これが該当するのは、侵攻戦争です。
侵攻戦争する際には宣戦布告しないといけませんが、
侵攻戦争は国連憲章によって否定されています。

自衛戦争を行う場合は、
すでに相手が攻めてきているので、
宣戦布告を行なう暇もありません。

制裁戦争を行う場合は、
すでに外交などで交渉が決裂しており、
国際秩序を見出していることから、
宣戦布告なしに行います。

武力行使はいつ行われるのか?

普通の国だと、
1人の国民が他国に拉致されたり、
自由を奪われたりしたら、特殊部隊が奪還に行くそうです。

アメリカ、イギリス、ドイツなどは、
実際に行っているようです。

先制的自衛権を行使するイスラエル

イスラエルはイラクへの攻撃に対し、
「先制的自衛権」を主張しました。

その理由は、

・イラクが核実験を行い、ミサイルも配備している

・打ち込む対象はイスラエルであることが明確である

・ミサイルを撃たれたあとに準備しては、防衛することは困難である

・そのため、先制して自衛する

国連はこの行動に対して、非難決議を行いました。

しかし、イスラエルは、

万が一攻撃されたときに誰かが守ってくれるのか?

と反発したそうです。

日本はどの戦争ができるのか?

1.侵攻戦争

1の侵攻戦争は国連憲章でも、憲法9条でも禁止されており、
また、国民も許さないでしょう。

2.自衛戦争

小野さんによると、自衛戦争も日本にはできないそうです。

理由は、今の予算は自衛できるような規模ではなく、

侵攻を受けたとしても、対抗できないということです。

自衛隊がいるので、自衛戦争自体はできるのかもしれませんが、
勝算がないのであれば、そうならないようにしたほうが良さそうですね。

3.制裁戦争

日本は多国籍軍が組織されたとしても、
それに参加はできません。

そのため、制裁戦争もできません。

結局・・・

トランプの影響にかかわらず日本は戦争ができなさそうです。

できないのと、できるけどやらないのは、大きく違うので、
どうするといいかは考える必要がありますね。

国際法は専門家でないとなかなか接する機会がありません。

そんな国際法の観点を、面白く解説しているのが、小野義典さんです。

気になる人は色々と動画をみてみるといいでしょう。

小野義典の国際法講座