仕事

意味わかんない!有給を取るのに「私用につき」以外の理由を要求され「社会人としてありえない」なんて言われる筋合いはない

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職場内の「思い込みによる自主規制」が、有給を取りづらくしているのかも

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1/27のマイナビウーマンにこんな記事が投稿されました。

woman.mynavi.jp

「社会人としてありえない」理由を引用すると、以下の7つです。

1.寝坊したから

2.二日酔いがひどいから

3.やる気が出ないから

4.彼氏と大げんかしたから、フラれたから

5.体が痛いから

6.天気が悪いから

さて、この質問を受けているのは、「22~34歳の働く女性140人」(マイナビウーマンWebアンケート)ということです。

この、マイナビウーマンのコピーは

「働く女性の恋愛と幸せな人生のガイド」

だそうですね。

有給を取るのに、こんな自主規制があって、本当に幸せな人生が送れるのか、ちょっとわかりかねますが、少なくともこういう意見が140人から出てきた、ということで解釈しましょう。

結論から先に言えば、有給休暇には自由利用の原則というのがありますので、こんな理由はありえない、と言われる筋合いは全くありません。なので、全く検討違いな思い込みで解凍されたアンケートです。

しかし、実際にこのような思い込みで有給を取りづらいと思っている人は多いし、職場の空気的に気軽に取れない、なんて場合もあるでしょう。

そら有給消化率も下がりますね。

www.jil.go.jp

有給休暇のガイドラインが厚生労働省から出ている

厚生労働省から、年次有給休暇の計画的付与と取得について、というガイドラインを出しています。

http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kinrou/dl/040324-17a.pdf

有給休暇の計画的付与とは、例えばゴールデンウィークが飛び石になってしまった年に、その穴を有給休暇の付与で埋められる仕組みのことです。

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例えば、上の図のようなカレンダーの年があったとすると、5/2と5/6が休みになれば、10連休になります。

特に工場なんかだと顕著ですが、飛び石で稼働すると、非常にコストがかかり費用対効果が悪い業種というのがあります。(つまり、製造業ですね。)

そういった場合に、会社が事前に有給として指定することができる、ということです。

この計画的付与は、自由に取得できる日数を5日残す範囲内で指定することができます。

逆にいうと、この残った5日というのは、個人の裁量で取れるように必ず残されているものです。

当日請求の際には最もらしい答えを用意しておけばそれで良い

shakaihou.com

原則的に、数日前までに申請するべきこと、と規則で決まっていたとしても、体調不良は急に訪れるものなので、当日申請の可能性は大いにあるでしょう。

ちなみに、会社側が有給を拒否できる根拠は、時季移行権(休暇を取られると業務に著しい支障をきたすと判断された場合に、休暇の変更求める権利)しかありません。

この時季移行権の行使判断を当日でも行うために、休暇取得事由を伝える必要があります。

判断を行うため、というのが重要で、例えば体調不良(体がだるく大事をとりたい)であれば、よほどのことがない限り、拒否する理由がないでしょう。

反対に、その取得理由を聞かれて、回答を拒否した場合、その時季移行権の行使判断を阻害した、ということで、休暇取得として認められないことがあります。

当日直前までに有給休暇の申請する可能性は、例え就業規則に「○○日前までに申請せよ」という制限があってもゼロではない、と判断したが、その代わりに会社側にも「有給休暇申請が直前すぎて時季変更権を行使するか否かの時間的余裕がない場合」には、事後に直前請求の事情を聞きその内容を考慮して有給休暇とする否か判断できる、という可能性も与えたのです。

http://shakaihou.com/paid-holiday/q&a-that-day-obtain.html

有給休暇の取得を根拠に不利な査定をしてはいけない

www.mhlw.go.jp

厚生労働省が有給休暇については、ガイドラインをたくさん出しています。

取得率が低いから当たり前ですが。

有給を取得すると賞与査定がマイナスになる、というのはちょっと意味不明ですが・・・

アンケートで出てきた6つの「社会人としてありえない理由」について考える

1.寝坊したから

寝坊をして、遅刻をしてでも会社に行くべき、と記事内では書いてあります。

しかし、遅刻というのは、業務査定のマイナス要因ではないでしょうか?

また、普段より起床時刻が意図せず遅くなってしまった、というのは何かしらの体の不調の可能性もあります。

だとすると、その日は有給休暇を取得して、のんびり回復に努める、というのは合理的な判断ではないでしょうか。

もし、例えばゲームをしていてついつい夜更かししてしまった、ということであれば、むしろ事前に1日ゲームのための日を設けてしまうのがいいと思いますが。

2.二日酔いがひどいから

二日酔いの状態で会社に来て、一日質の低い仕事をされるのが、果たして幸せなのでしょうか?

仕事の生産性を高めるために、むしろ万全の体調に戻してから仕事をしに来ればいいと思います。

だらだら働かれる方が迷惑だと思うのですが・・・

3.やる気が出ないから

これも二日酔いと同様ですね。

ただ、状況によっては、やる気が出ない、というのは鬱の前段階という可能性もあります。1日休むことで、リフレッシュして、その翌日から気持ちよく仕事に臨めるのであれば、長期的に見ても、そっちの方がいいでしょう。

憂鬱な気持ちが積み重なって、仕事の質が上がることはありません。

4.彼氏と大げんかしたから、フラれたから

これは、二つ考え方があります。

・振られた気持ちを、何もしないでリフレッシュして、気持ちを切り替える

・振られた気持ちを忘れるために、仕事に没頭する

これで有給を取りたくなる人は、気持ちを切り替えたい派の人ということかと思います。

憂鬱な気持ちで過ごされて、周りへの悪影響を及ぼすなら、1日リフレッシュして、気持ちを切り替えて仕事して来れた方がいいでしょう。

5.体が痛いから

むしろ、休んで病院行ってください。

足が痛い、筋肉痛も、別に集中して仕事できないようなら、休んで仕事できるようになってから来ればいいでしょう。

6.天気が悪いから

事例としては、台風や大雪の日が挙げられています。

むしろ、交通機関が止まっている時に2時間駅で待ちぼうけして、それから普段の倍の時間をかけて会社に行く、という方がむしろ理解し難いのですが、、、

自宅勤務できるなら、自宅勤務すればいいですし、それができないなら、半休なり全休にすればいいのだと思います。

怪我したり、出勤難民、帰宅難民になったり、出勤で無駄なエネルギーを使ってストレスを感じて質の低い仕事をする、というのはいいことではないでしょう。

まとめ

社会人として仕事をしていれば、自分が休暇を取っても差し支えないタイミングというのは、自分で主体的に考えるのが本筋ではあります。

アンケートで答えのあった内容も、「特に繁忙期でもないのに」上述の理由でとやかく言われる筋合いはない、というものです。

(例えばプロジェクトの締め切りの週に休暇を取るなら、終わってから取れよ、となるのは自然でしょう。そのために時季移行権があります)

このようなアンケートから透けて見えるのは、「会社に必ず時間通りにいて何かをしているのが筋で、その質には特に関心がない」ということです。

仕事の質を考えず、受動的に時間をかけることにしか意識がいっていないとすれば、その職場は生産性が低い職場である可能性が高いのではないでしょうか?

二日酔いになるほど仕事の前日に酒を飲む、なんていうのは、自己管理の出来ていない最たる例だと思いますが、仕事を最高の質でやり続けるために、体調を整えておこうという予防的な観点が職場に浸透していれば、そのようなことは起きないのではないでしょうか。

ということで、

「仕事の質を上げ、生産性を高め、気持ちよく仕事をし続けるために、有給をうまく活用しよう」というのが、私の考えです。