太陽光発電に反対する気持ちは毛頭ないが、太陽光発電の報道は?
太陽光発電は、原発事故の影響で民主党政権時代に強烈に推進された
背景には、原子力発電所の事故があります。
2011年3月11日の東日本大震災に伴い福島第1原発に襲い掛かった津波により、予備電源が喪失され、加熱した原子炉から原子力燃料が炉外に流出する、水蒸気爆発が起きた、などの背景がありました。
(ちなみに、福島第1原発が耐用年数を超えて稼働していたのも、民主党のせいです。ルーピー鳩山由紀夫が、2009年にCO2 25%カットを掲げたせいで、CO2を排出しない発電方式の割合を増やさざるを得なくなりました。)
そこから、自然エネルギーによる再生可能エネルギーが注目を集め、その中でもドイツなど海外での実践例のあった太陽光発電は大きく展開されることになりました。
やり方については、批判もありましたが、現在では、家庭の屋根や、工場の屋上に太陽光パネルがある、なんていうのもよく見る光景となりました。
しかし、その危険性については、あまり報道されていないようです。
太陽光パネルは、光が当たると電気を発生してしまい止めるには光を遮るしかない
太陽光パネルは、半導体に強い光をあてることで電気を発生する光電効果を使った発電方式です。
半導体を露出しているわけではなく、半導体に強化ガラスでカバーをしています。
半導体が効率よく発電できるよう保護しているわけです。強化ガラスは傷がつきにくい特徴があります。
そのため、東日本大震災で流された太陽光パネルや、鬼怒川の決壊で流された太陽光パネルで、感電するという二次災害が発生しました。
鬼怒川決壊は人災か 疑われた「太陽光パネル2社」の言い分 | 日刊ゲンダイDIGITAL
被災した太陽光発電システムによって、感電による事故や、二次火災などが起きないように、初動的な対応時の配慮を喚起しました。
今回は、水没や浸水した太陽光発電システムに関して、不用意に近づいたり触れたりしないように呼びかけました。太陽光パネルは、光が当たれば発電しますので、その状態で水に濡れ、人が触れれば、感電してしまう恐れがあります
鬼怒川の時は、自然堤防を削ってメガソーラーを設置した事業者のリテラシーが問われる事態となりました。大きく報道された形跡はありませんが。
ちなみに、この自然堤防を削った問題は、福島第一原発とかぶります。
もともと、35M以上の高さの場所を削って、10Mまで海抜を下げたために、津波がかぶる事態となりました。下げた理由は、冷却ポンプが10Mまでしか対応していなかったから。
太陽光発電の設置事例は、原発の教訓を生かしていない、と言っていいのかもしれません。
あるいは、その利点ばかりがクローズアップされ、短所や危険性があまり報道されていないように感じます。
太陽光パネルが屋根に設置されていたために、消火放水が効率よくできなかった
太陽光パネルがあると、放水流を伝わる電流による感電の危険性と、太陽光パネル燃焼による有害ガス発生の危険性があります。
そのため、消防活動にはかなりの制限が加わります。
放水時の感電防止策としては、以下の点に留意する必要がある。
・低圧用ゴム手袋、ゴム長靴などの高い絶縁性能のある手袋及び靴を着用する
・放水は噴霧注水を用い、棒状注水は極力避ける
・棒状注水を行う場合は太陽光発電システムから少なくとも6m以上、可能であれば10m以上の距離をあける
バックシートにハロゲン化合物を含有する高分子化合物では、有害なハロゲン化水素などが生じる可能性がある。また、モジュール全体で燃焼させた場合、各創刊に用いられている接着剤も同時に燃焼しており、この影響も無視できない要因となっている可能性もある。
では、アスクル倉庫の屋上はどのようになっていたのでしょうか?
NHKの報道画像を見る限り、太陽光パネル周辺が強く燃えていたことがわかります。
2,3階に窓が少なく、注水地点が少なかったことが原因とされていますが、太陽光パネルと、その電気の流通経路が放水を邪魔していた可能性というのも十分考えられそうです。しかし、太陽光パネルに言及している報道はほとんどありません。
また、報道しない自由を振りかざしているのでしょうか?
ここまであからさまだと、可能性の一つとして言及されてもいいものだと思いますが。
入間東部地区消防によると、はしご車などによる消火活動が続けられたが、倉庫2、3階部分に窓が少ないため、内部にこもった熱や煙が消防隊の侵入を阻んだ。そのため、重機で壁に穴を開けて外側から注水を進め、並行して燃えていない建物内南側への放水も行い、延焼防止も図った。
2/20のNHK報道は、消されていてもう見ることができないですが、以下のような内容が掲載されていたようです。(なぜアーカイブがされないのかよくわかりませんが。)
「屋上にはソーラーパネルがあり、水をかけると、消防隊員が感電するおそれがあるため、直接、放水することができませんでした。」
中に可燃物、爆発物が満載だったことは事実なので、太陽光パネルが全ての原因ではないでしょう。
ただし、鎮火を遅らせる原因の一つとして議論しないと、より大きな被害をうむ可能性もあります。
太陽光パネルがなければ放水して助けられたのに、という事態が発生したらどうするんでしょうね??
出火原因は、フォークリフトの空転??ってちょっと理解不能。タバコじゃないの?
一般的なフォークリフトは前輪駆動です。そのため、後輪が空転して出火はないでしょう。空転するなら前輪です。
では、リーチフォークリフトならどうでしょう。こちらは後輪駆動です。
引用:Maintenance | PLATTER SICOS | フォークリフト | 製品情報 | ニチユ三菱フォークリフト株式会社ホームページ
さて、フォークリフトの仕様を見て見ると、なんと最高速度が11km/hほどです。
Specification | PLATTER SICOS | フォークリフト | 製品情報 | ニチユ三菱フォークリフト株式会社ホームページ
これで空転したとして、本当にそんなすぐに出火するのでしょうか?
そして、アクセルを踏んで前に進まないなら、なんらかのトラブルを感じて停車して様子を見に行きそうです。それでもなお、アクセルを踏み続ける、しかも煙が出るまで、というのはあり得るのでしょうか?
フォークリフトは高熱部があるため、ガソリンなどの揮発性物質や、発火性の廃油が近くにあると危険です。
しかし、今回はそういうわけではなさそうです。
むしろ、作業員がタバコを吸っていて、その吸い殻に引火した、の方がかなりの説得力です。
ちなみに、消防庁の統計によると、総出火件数28,441件のうち、出火原因の1位はタバコ、2位は放火だそうです。(放火の疑い、も含めると2位がタバコになります。何れにせよ、多く原因として多いことは間違いないです。)
平成28年 (1月~9月)における火災の概要(概数):消防庁
アスクルの倉庫があった埼玉県のデータでも同様です。
1位は放火など、2位がタバコです。
フォークリフトの会社は、安全設計しているのに、出火原因にされた、となったら名誉毀損で訴えてもいい気がしますね。
とにかく、現状の報道で言われている、フォークリフトの空転で出火、はちょっと無理がありすぎる気がします。
まとめ:メディアで出てくる話はおかしなところがいっぱい
太陽光パネルには一切触れられない、フォークリフトの空転なんておかしな出火原因が騒がれる、というのはなんともおかしな状況に思えます。
先走って原因を断定すべきでもないとは思いますが、メディアもあくまで株式会社。営利企業です。
その利益を最大化するのが事業目的なわけです。
そうすると、自分たちに都合の悪い情報は「報道しない自由」を掲げてくる、というのがこれまでずっと行われてきたパターンです。
(誤報の謝罪は、一瞬でひっそり行うのが伝統ですね。)
メディアに扇動されないように気をつけたいものです。
ちなみに、議論のレッスンでは、議論のモデルとしてよく使われるトゥルーミンモデルを元に「主張」「根拠」「論証」に分類して理解する手法を提示しています。
題材は朝日新聞社説です。社説は議論になってない、プロパガンダだね、というのが明らかになっていますw
*おしまい*