朝日新聞7/13社説によると、民進党は原発反対で政権と戦うべき
民進党は国民の支持をみるみるうちに失っています。
特に注目すべきは、6、7月の数字です。
6月は何があったか?森友問題です。
7月に入って、東京都議会選挙があり、自民党の議員の様々な問題発言、問題行動が露呈しました。
そのため、自民党の支持が30.7%と支持率が急落したのも、納得できます。
しかし、それで民進党の支持が上がったか、というとそうではありません。
民進党もしっかり支持率を下げています。
その結果上がったのは支持政党なし、実に6.2%の急上昇です。
いったいなぜでしょうか?
朝日新聞社説によると、原発政策を中心に、反政権を打ち出すべき
朝日新聞の社説では、
・蓮舫民進党党首の、二重国籍問題に支持率低下の原因を見ているのが間違いである。
・民進党は、政策の軸が定まっていない。その象徴が原発政策だ。
・蓮舫民進党党首が、外圧により戸籍公開をさせられることは、他の他国籍の親を持つ人に対して、悪しき前例となる。
という3点を主張されています。
象徴的なのが、「原発政策だ」と言っているに過ぎないので、原発政策を中心に訴える、というわけではない、と主張されるかもしれませんが、ここで持ってきた事例が「原発政策」であるという点は、注意すべき点です。
他にも社会保障だろうと、移民政策だろうと、なんでも選択肢はあったはずです。
それにも関わらず、最近ニュースに上がることのない原発政策が出てくるのはなぜなんでしょうか?
民主党が政権を取った背景を思い出す
民主党は鳩山由紀夫党首の元、「政権選択選挙」と銘打ち、選挙を戦いました。
そして、圧倒的な勝利を納めます。
実に308議席。総数が480議席だったので、64%。衆議院の2/3である320議席まであと一歩と迫りました。
この議席数、戦後最多だそうです。
鳩山政権の政権構想5原則
1.官僚丸投げの政治から、政権党が責任を持つ政治家主導の政治へ。
2.政府と与党を使い分ける二元体制から、内閣のもとの政策決定に一元化へ。
3.各省の縦割りの省益から、官邸主導の国益へ。
4.縦型の利権社会から、横型の絆の社会へ。
5.中央集権から、地域主権へ。
このような構想を立ち上げた選挙にて、圧勝しました。
ここから推察される国民の期待は以下のようなものではないでしょうか。
1.自民党の利権政治家を交代させることによる、既得権益・岩盤規制の打破
2.官僚主導の政治から、政治主導の政治へ
3.2大政党制の実現
4.地方分権による、地方の活性化
政治主導と官僚主導
自民党政権下では、官僚が政治家に様々なレクチャーをします。
その意見を元に、政治家が行動するというのが現実に行われていることです。
例えば、8%の消費増税を決定した際には、財務省が、消費増税をしなかった場合の様々なバッドケースをレクチャーして回りました。
では、その結果がどうなったか?
アベノミクスのブレーキを踏んでしまっています。しかも、消費税の負担は低所得者ほど大きくなるため、相対的貧困率の増加に貢献しています。
では、なぜ財務省が消費増税をしたがるのか。それは、財務省はGDPの拡大や、歳入の最大化に責任を追っていないからです。しかし、税収源が増えることは、財務省の権益につながるそうです。どこに定率減税を適用するか、業界の競争になるでしょうから。
ちなみに、今では、日銀がインフレターゲットを実行していることから、物価上昇率が2%となるよう責任を持つ必要があります。これ、政治主導の結果です。
財務省の力により、アベノミクスの効果を大幅に減退させる消費増税を推進する方向で、政治家を動かす。これこそ官僚主導の典型的なケースです。
本来は、政治家が決定を下し、官僚はそのための情報を集め、適切な決定を下せるようにする、というのが官僚の仕事です。
つまり、政治主導における政治家の仕事は、官僚を使って、国益となる政策を実現することです。
二大政党制となることにより、何を国益と判断するのか、2つの政党が国民にアピールすることができます。その上で、2つの政党のうちどちらがより適切か、ということを国民の判断である、「選挙」によって選択する。
これを実現することが、民主党政権に求められていたことだったのではないでしょうか
?
民進党は2大政党の1角たり得るか?
これは、残念ながらNoと言わざるを得ないのではないでしょうか。
昨今の森友問題、加計学園問題など、政権のスキャンダルを追うことに必死になっているように見えている、というのが政党の支持率低下の要因ではないかと思います。
そして、現在民進党の蓮舫代表に戸籍を開示するべき、と言っているメンバーは、まだ二大政党制を諦めていない人たちなのではないか、こうも見えます。
つまり、蓮舫代表の戸籍開示は一つの禊です。
曖昧にしていた問題を、党内からの指摘により解決することで、民進党に自浄作用があることを見せたい。
その上で、問題とされていたことを解決し、政権奪還に向けた再スタートを切りたい、そういうことではないでしょうか。
そうすると、「日本死ね」で意気揚々と流行語大賞の表彰を受けた山尾志桜里議員の政治資金規正法違反の問題など、怪しい問題はまだありますが。
二大政党制、議院内閣制、立憲君主制の国といえば、イギリス
いずれにせよ、日本が議院内閣制で、かつ二大政党制を目指すのであれば、(さらに立憲君主制ということもあいまって)、イギリス型の政治が手本の一つとしてあげられます。
イギリスの議会は、「アリーナ型」の議会と言います。
イギリスは二大政党制であり、与党が内閣を組閣し、議席の多数も確保しているので、国会で議論しなくても、法案を成立させることは極論を言うと可能です。
ではなぜそうしないのか?
それは、議会の議論の役割をどう捉えるか、と言うことにあります。
「アリーナ型」の議会における議論の役割とは、議論を通じて国民に政策の説明をすること。
また論点の違いから、次回どの政権に任せるのかの選択の材料を与えることです。
では、日本の国会ではこれができているでしょうか?
森友問題、加計学園問題を中心に、安倍政権のスキャンダルを追求するばかりで、真っ当な政策論争は行われていないように思います。
これでは、各政党の主張がわからず、また、公約実現に向けてどのような行動をとっているのかも見えてきません。
そうすると、どの政党を支持するべきなのか、よくわからなくなって、支持政党なしと答える人が増えるのは必然ではないでしょうか。
まとめ:民進党は、政策論争をもっとして、政策面で自民党や安倍政権を追求するべき
例えば、消費増税をすることは、相対的貧困率をあげる問題です。
だとすると、弱者がより苦しい思いをするデフレの時代が長く続いた現代において、消費増税をすることが得策ではないことは容易に想像がつくと思います。
アベノミクスにより、失業率は大幅に下がり、就労人数は大幅に上がりました。
次は給与の向上です。失業率がそこを付くのは、2.5%と言われています。
失業率が2.5%まで下がって初めて、給与の上昇幅が増していくのです。
だとすると、給与が増えるまでは、消費増税がそのまま家計へのダメージになる、と言うことは明白です。
朝日新聞では、民進党は原発政策を象徴として、反原発を掲げるべきだ、と言っていました。
しかし、私は山本太郎議員の主張こそ見るべきものがあると考えます。
山本太郎@新宿アルタ前『野党連合は、今こそ消費税の廃止を訴えるべきだ。安倍政権が追いつめられて人気取りをしようとするのは確実。それに対抗するには、野党が一緒に市民生活を豊かにする消費税廃止を訴えるのが最も分かりやすく有効な方法だ』#消費税廃止 pic.twitter.com/H8hE92ridc
— 市民メディア放送局 (@info_9) 2017年7月9日
朝日新聞は、消費増税賛成派です。また、定率減税に新聞を入れるべき、と言う、自分たちだけ安全圏に身を置こうとしている新聞ともいえます。
おそらく山本太郎議員は、財務省とのコネクションが弱いのでしょう。
それゆえにこのような発言が出てくるのだと思います。
民進党の議員は、この山本議員の姿勢を見習い、日本国民のための政治を行う政党として、何をなすべきか、と言うことを考えて、国会の議論にのぞみ、議論や選挙にてそれを訴えてほしいと思います。
政権の選択した政策が妥当だったかどうかを検証し、論理を持って否定し、改善策を提案する。
そのような議論が行われれば、国民は民進党の議員を見直し、また、支持に回る人が増えるでしょう。