フィリピンとISの戦いは長く続いている
フィリピン軍はテロリスト集団のアブサヤフやマウテと治安維持のために繰り返し戦っています。
フィリピン軍は1月29日、南部ミンダナオ島の南ラナオ州で25、26の両日、イスラム過激派アブサヤフやマウテを狙った空爆を実施し、インドネシア人を含む戦闘員15人を殺害したと明らかにした。
アブサヤフ、マウテはどちらもテロリストと認定されているイスラム過激派組織です。
といっても、普通のイスラム教徒(ムスリム)はテロとはなんの関係もありません。
平和を愛するいい人たちです。どこにでも過激派というのは生まれてきます。
さて、アブサヤフは、フィリピン南部で海賊行為などを行い、治安を脅かす存在です。
フィリピン南部で起こしてきた数々の反政府活動により、アメリカ、EU(欧州連合)、カナダはいずれもアブサヤフを過激派組織に指定している。
そしてなんと、日本人が含まれている可能性がある、という組織です。
元は、アブサヤフに拉致をされた、ということですが、今はアブサヤフの構成員として活動しているようです。
その経緯は明らかにはされていません。しかし、日比外交には影響しそうです。
IS武装勢力構成員は多国籍
フィリピン系の組織であるアブサヤフに日本人がいることは前述の通りですが、それ以外にも、マレーシア、インドネシア、シンガポールなども含まれているようです。
イスラム教は特に国籍が関係あるわけではありませんが、、、
フィリピン南部で市街戦のIS系武装勢力に複数の外国人戦闘員 写真3枚 国際ニュース:AFPBB News
「(マラウィには)シリア、インドネシア、マレーシア、スリランカ、そしてアラブ人のISIS(ISの別称)戦闘員が存在する」と述べ、
「火あぶりや斬首など残酷な殺人法を習得した中東の戦闘員を相手にしているため、航空兵力を使う必要がある」と付け加えた。
日本人にはあまりピンと来ないかもしれませんが、同じ宗教を信じるもの同士の国家を作りたい、と思うのが、自然なことなのでしょうか?
カリフ制の国家を建立したい、というのがよく聞く話ですが、、、
この、街を巻き込んだ戦いにより、民間人も被害を受けています。
フィリピン軍、南部の市街戦でIS系武装勢力メンバー89人を殺害 写真8枚 国際ニュース:AFPBB News
市内の治安回復とハピロン容疑者の捜索において、武装勢力メンバー89人が殺害されるとともに、治安部隊員21人と民間人19人が死亡したと説明した。
テロとの戦いは民間人が巻き込まれ、盾にされる非常に危険な戦い
戦争は悲惨、と言われますが、テロに襲われるのはもっと悲惨かもしれません。
なぜなら、戦争は基本的には戦闘員同士の戦いで民間人は保護されるのが原則ですが、テロの場合、テロリストが民間人に紛れ込むため、民間人を必ずしも保護しきれません。
5/31の時点で、マラウィ市内に取り残されている民間人は2000人もいたそうです。
この報道官はさらに、市内のおよそ1割の地域で今も脱出できていない市民が多数いることを認め、武装勢力側が支配下に置いている地区で今後、ますます激しい抵抗に遭遇するだろうという見解を示したが、軍が危機の終息に向けて「非常に前向き」な進展をみせているとも述べた。
また州の危機管理当局の報道官によると、マラウィ市内に現在もとどまっている民間人は2000人超に上るという。
イスラム教徒が大多数を占めるマラウィを先月23日に襲撃してイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の黒い旗を掲げ、住民を人間の盾にして防空トンネルや対戦車兵器を使用する数百人の戦闘員に対し、フィリピン軍は苦戦を強いられている。
陸軍戦力では、捕虜にされた時に、残虐な殺され方をする、あるいは住人を残虐に殺してみせることで見せしめにする、ということを平然とやってのけるのでしょう。
ただの民間人を、盾にして戦いをするテロリストが現実に存在する、ということを頭に入れないといけません。
テロリストの収入源は海賊、麻薬など、非合法なもの
イスラム過激派組織「イスラム国()」系の武装勢力と国軍との間で戦闘が続くフィリピン南部ミンダナオ()島のマラウィ()で、フィリピン軍は19日、武装勢力の拠点から押収した、現地で「シャブ」と呼ばれるメタンフェタミン(結晶状覚せい剤)11キロおよびISの旗を報道陣に公開した。
このような資金源があると、より武器を購入し、武装を行うことで、武力による目的達成をしようとするようになるでしょう。
そのため、拠点を作らせないようにすること、というのは非常に重要です。
ちなみに、フィリピンだと戒厳令が発令されていますが、日本には戒厳令がありません。
戒厳令とは、非常事態に行政権・司法権を、軍の管理下に置いて運用を行うことです。
日本も近くに偉大なる首領様率いるテロ国家がありますが、その工作員が東京で暴れた時、どうするのでしょうか?
このように、子供を含め人質に取られることもあるかもしれません。
比南部、イスラム武装勢力が小学校を一時占拠 民間人を人質に 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
それでも宗教的行事は尊重する
25日の一時休戦について、アニョ参謀総長は「同胞であるイスラム教徒、とりわけマラウィのイスラム教徒たちにこの祝日を祝う機会を与えようというフィリピン軍の固い意志の証だ」と語った。
戦っている相手は、イスラム過激派なので、皆イスラム教徒でしょう。
同時に、逃げ遅れている民間人にも、イスラム教徒が多い地域なのです。
そして、テロとの戦いは続く。果たして日本は?
フィリピンにとどまらず、北欧のフィンランド、米国でもテロの危険がある、と注意を呼びかけられています。
当然、紛争地域に旅行に行くこともないと思いますので、日本人が紛争を目にすることもそうそうないでしょう。
しかし例えば旧ユーゴスラビアの首都セルビアのベオグラードでは、今でもNATOに爆撃をされたマンションの骨組みが残っています。
また、エジプトのカイロでは博物館の隣にあるマンションが爆弾テロにあい黒焦げになっていました。
そんな状態を作り出すのが、テロとの戦いです。
テロは暴力によって自分たちの理想を実現しよう、という、およそ民主主義とは無縁の活動です。
世界中でこのような動きが活発になっています。
日本でも、北朝鮮のミサイルが飛んでくる問題は消え去ったわけではありません。
核弾頭が落ちてくるかもしれないのです。
当然、拉致被害者は全員帰ってきているわけでもありません。
そう考えると、自国を守るために、今の暮らしを守るために、今の体制が十分なのか、ということは、より関心を高めないといけない時代にさしかかっているのかもしれません。