リベラルのワシントンポストと、保守系のブライトバードの論調比較
1月28日のトランプ大統領と、オーストラリアのターンブル首相の電話会談の様子が食い違っている。
ワシントンポストは、「上級米国当局者」が、「25分で怒りの元にトランプが会談を打ち切った」と報道しました。
それに対し、トランプ政権の首席戦略官スティーブンパノンが会長を務めるブライトバートも、2月2日にオーストラリア政府、トランプ大統領の双方を擁護するような記事を出しました。
He also insisted the Trump-Turnbull call was “cordial.” Turnbull himself stated, “the report that the President hung up is not correct,” and that the call “ended courteously.”
ホワイトハウスのスポークスマン、ショーンスパイサーは、トランプ・ターンブル間の会談は「心がこもっていた」と、ターンブル首相自身も、「大統領が電話を切ったという報告は正しくない」とし、「丁寧に終わった」と述べていた。
ということです。
ハフィントンポストは、オーストラリアのターンブル首相が野党とトランプ大統領の板挟みにあっている様子を記事に
オーストラリア人以外の読者にとっては、毎週のように暴行、レイプ、病気の蔓延といった問題が明るみになっている難民や収容所の状況が、ターンブル首相とオーストラリア政府にとってどれくらい政治的ダメージになっているか理解できないだろう。
つまり、オーストラリアから受け入れることになっていた難民というのは、
暴行、レイプ、病気の温床となっている収容所から受け入れることになる、ということです。
そして、その原因となっているのが、2016年に成立した、ボート漂着者を定住させない法律です。
ボートで漂着した人々をオーストラリアに定住させないという、世界的に有名となった強硬的な移民政策を続けている。2016年10月には、議会はその政策を体系化する成文法を成立させた。
この法律により、母国から(おそらく)逃げてきた難民はオーストラリアに受け入れられない、ということになった、ということですね。
このオーストラリア漂着者を収容する、難民収容施設は、まるで刑務所という報道がなされるくらい、メディアから批判されており、アムネスティインターナショナルからも、批判されているようです。
今回の一件は、難民受け入れに関して、オーストラリアからアメリカへ、ターンブルからトランプへ、メディアの矛先が変わった一件、と見ることもできそうです。
トランプ大統領の入国制限令は連邦地裁で憲法違反の判決
アメリカは、三権分立を忠実に実施している国です。
そのため、司法権による行政の監視が強く働きます。
日本だと最高裁判所のみが違憲立法審査権を持ち(違憲判決なんてほとんど出ません)ますが、アメリカでは違憲審査を連邦裁判所が担い、行政、立法に対する拒否権を持つという話です。
そして、アメリカ大統領は権力者として最弱の部類です。
閣僚を決めることも、議会の承認が必要であり、大統領の自由にはできません。
トランプとヒトラーを同列視するような記事も散見されますが、これは大きな間違いです。
ヒトラーが、ナチス党の党首であり、政権与党の長であり、首相であったから独裁政権を敷くことができた面が多分にあります。
対して、トランプ大統領は、大統領ですが、共和党の党首ではありません。議会運営に直接影響を及ぼすことができないのです。立法も司法も自由にすることはできない以上、トランプ大統領がヒトラーのような独裁をすることはできません。
ただ、トランプ大統領も、ヒトラーも、演説がうまく、民衆を動かす力があった、という点においては似たところがある、というのはその通りでしょう。
(WWEに出たり、テレビ番組をずっと主催していたから、当然かもしれません)