残業のない会社で有名なアクシアの米村歩社長のブログがかなり話題になっています。
内容をかいつまむと、以下の内容です。
プライベートで勉強しなくてもなんとかなるけど・・・
・勉強しない人は勉強する人には勝てない
・勉強しない人は勉強する人ほど給料が上がらない
・勉強しない人は勉強する人ほど重要な仕事を任されない
・業務時間で習得したスキルは10年後使えなくなる、かも
・勉強しない人は転職が厳しい、かも
・スキルがないからマネジメントで勝負!は迷惑
企業が行う教育と個人の勉強はどっちも必要
勉強は人にやらされるものではない
自分で勉強することは投資
ブコメを見ていると、「こんなの当然」というひとと、「こんなこと会社が言う権利ない」という人と二分されています。
私はどちらかと言うと、「こんなの当然」という立場です。
しかし、一応前提として考えるべきは、この会社は企業努力により、
残業ゼロにしている、という事実です。
当然、残業がないから、平日の24時間のうち、会社に拘束される9時間以外の時間は自分でコントロールが出来る、ということです。
例えば、残業200時間させられてるのに、その上自分で勉強しないと昇給させないよ、という社長(役員、etc…)がいたら、ぜひ労基署に行くことをおすすめします。
仕事の時間が自分の人生でどういう位置づけか、を考えているか?
仕事の仕方と目標を考える時によく話題になる、
「レンガ積みの話」を考えてみましょう。
聖職者が3人のレンガ積みに「何をしているのですか?」と訪ね、三者三様の返答が帰ってくるお話です。
1人目のレンガ積みは、「見りゃわかるだろ、レンガを積んでるんだ」と答えます。
2人目のレンガ積みは、「壁を作っています。家族を養うためにね」と答えます。
3人目のレンガ積みは、「歴史に残る大聖堂を作っているんだ!ここで多くの人が祝福を受け、悲しみを払うんだぜ!素晴らしいだろう!」と答えます。
おそらくですが、
業務時間外での学習否定派は、2人目のレンガ積み
業務時間外での学習肯定派は、3人目のレンガ積み、
に近い思想なのではないかと思います。
(あとは、否定派の中には、勉強するのはいいけど、会社に言われるのは嫌、という人もいそうですが・・・)
つまり、「自分にとって仕事とは何か」というのが分かれ目です。
仕事を通じて自己実現をしたいのか、社会貢献をしたいのか、生活費を稼ぎたいのか、裕福な暮らしを送りたいのか、、、
あなたにとって重要な事はなんですか?
人生の黄金期の最良の時間を費やす仕事が人生を決める
京大の「ものつくりセミナー」で講師をしている人がこんなことを言っています。
・個人の成長なしに、組織、地域、国家の成長はない
・25-65という人生の黄金期の、
平日の8時-17時という最もいい時間を費やす以上、
「仕事」で成果を出すかどうか、
そこでいかに「よい目標を立て、達成するか」「成長できるか」で人生は決まる
仕事の質を上げることと、ワークライフバランスを整えることは必ずしも背反ではありません。
ただ、仕事の質を上げたい、と思った時に、自分の時間を使って勉強して、それを直ぐに仕事に活かすことができれば、当然、仕事の質の上がり方は早いでしょう。
仕事に人生を奪われる?
逆に仕事に人生を奪われたくない、という人もいるでしょう。
仕事は生活のために「しなくてはならない」からしているだけであって、「したい」ものではない、という人は多くいると思います。
それ以外にも、痛ましい話ではありますが、電通の高橋まつりさんはまさに仕事に人生を奪われた典型例ではないでしょうか。
そうでなくても、ワークライフバランスをどのように考えるか、と言うのは重要です。
就活で思った通りの職につけず、悶々と仕事をしている、あるいは、仕事は諦めて趣味に生きている、という人もいるでしょう。
あるいは、組織の中で思った通りの仕事ができず、モチベーションが上がらない、という人もいるかもしれません。
そういう人であれば、仕事のために余計な時間を使うなんて馬鹿馬鹿しい、と思うかもしれません。
ただ、そういう人でも、仕事のための勉強をして、勉強と実績を結びつける経験を持てれば、次に自分のやりたい仕事が出来る可能性はぐっと上がるのではないかと思っています。
あるいは、アクティブに仕事に取り組むことで、仕事の中の面白さがわかってきて、やる気が出て、成果も上がる、なんてこともあるかもしれません。
組織人であれば、組織を変えるよりも自分が変わるほうが早い、というのが厳然たる事実です。
仕事に奪われる時間を減らすためにも、楽しくない状態から抜け出すためにも、局所的な努力を、それは2~3年がかりかもしれませんが、する必要があるのかもしれません。
アクシア社長の言葉を考えてみる
仕事外で継続的に勉強している人の中に、人に言われて勉強している人はどのくらいいるのでしょうか?
私の感覚ではあまりいない、と思います。
会社で取れと言われた資格試験のために、一時的に勉強する、という人も多くいるでしょう。でもその大半は資格が取れたら勉強を辞めてしまいます。
そして、事実、勉強をしなくたって、なんとかなる場合がほとんどです。
なんせ、業務時間外に勉強していないから、会社をクビになる、なんてことはないですから。
そんなことでクビにできていたら、人事権を持った人の独裁ができてしまいます。
今、あるいは今後必要なアウトプットの質を高めるために勉強する人は強い
・勉強しない人は勉強する人には勝てない
・勉強しない人は勉強する人ほど給料が上がらない
・勉強しない人は勉強する人ほど重要な仕事を任されない
・業務時間で習得したスキルは10年後使えなくなる、かも
・勉強しない人は転職が厳しい、かも
この5点に共通することは、仕事に必要な知識やスキルを勉強によって補うことで、アウトプットの質、成果の質が高まり、会社の利益になる。
その実績を買われて、給料が上がり、重要な仕事を任される、という因果関係が見えてきます。
また、会社以外の世界から情報を得ているため、今後必要になる知識の先取りも出来るでしょう。そうすると、10年後にも必要な知識が自然と身についている可能性が上がります。
勉強して成果を上げてきた実績がある人は、環境が変わったとしてもキャッチアップが早いと判断されます。そうすると、転職するときも有利でしょう。
また、給料や重要な仕事の実績は転職先でも評価されますし、主体的にしてきた仕事の内容は、面接の時の説明でも考慮されます。
・スキルがないからマネジメントで勝負!は迷惑
これは、ちょっと、言う人のメンタリティがわからないところではありますが、、、
マネジメントスキルは、自分の手を動かすことではなく、人の手を動かして成果を最大化するためのものです。
口ばっかりで何もできない人に、指示を受けてあなたは気持ちよく働けますか?
あるいは、今までマネジメントスキルを必死に磨いてきたのですか?
という話になりますね。
自分の手を動かすのとは違うスキルセットが必要になったら、やはり自分で必要なスキルを求めて勉強するのが近道です。
まとめ:勉強はしたほうがいいけど、やるかどうかはあなたの価値観次第
業務に必要な勉強をしたほうが、人生捗っていいと思っています。
でも、それは人に強要されるものでもないと思っています。
なので、するかどうかは自分で決めればいいでしょう。
ただ、適切に勉強している人が、昇進や昇給したり、転職でうまく行った、という時に、どう思うのか?というのは、自分を見つめておいたほうがいいと思います。
そこでネガティブな気持ちが湧き上がるのであれば、あなたは潜在的には成長して、より大きな収入や仕事を得たいと考えているのでしょうから、そうできるように努力を始めたほうが、実は自分のためになるのではないか、そう思います。
*おしまい*