羽生結弦さんが離婚した原因は、新周南新聞とストーカー双方にある
羽生結弦さんが、結婚105日で離婚した。
フィギュアスケーターとして輝かしい功績を残した選手であり、国民栄誉賞も取った。このような人がこんな短期間で離婚を余儀なくされた、ということはとても不幸なニュースである。
しかも、羽生結弦さんにも、そのパートナーにも全く非がない。羽生さんのX公式アカウントで11月17日に、悲痛なメッセージが公開された。
ご報告がございます。
これからも前を向いて進んでいきます。
宜しくお願いいたします。 pic.twitter.com/fq3IGszBM8— 羽生結弦official_Staff 公式 (@YUZURUofficial_) November 17, 2023
現在、様々なメディア媒体で、一般人であるお相手、そのご親族や関係者の方々に対して、そして、私の親族、関係者に対しても、誹謗中傷やストーカー行為、許可のない取材や報道がなされています。生活空間においても、不審な車や人物に徘徊されることや、突然声をかけられることもあります。(中略)しかし、私が未熟であるがゆえに、現状のままお相手と私自身を守り続けることは極めて難しく、耐えがたいものでした。(中略)これからは、お相手、そのご親族や関係者の方々、また、私の親族、関係者に対しての誹謗中傷や無許可の取材、報道等、迷惑行為はおやめください。
引用:https://twitter.com/YUZURUofficial_/status/1725530863595831656/photo/1
非常に悲痛である。羽生さんサイドはお相手を「一般人」として、本名を公表していなかった。
しかも、結婚を公表する半年以上前に、元パートナー女性は、SNSやホームページを削除していた。羽生さんの周辺も、本名が知られることにより、どのような事態になるか想定していたものと思われる。
「騒動になることを見越してか、ファンの気持ちを慮ってか、Aさんは22年秋ごろに自身のSNSやホームページをすべて削除していました。それだけの覚悟で、羽生さんと共に歩む道を選んだ。再び夫婦のコラボが見たいところですが、今後は表舞台からは引退し、夫のサポートに専念するようです」(前出・女性誌記者)
本名をスクープしたのは、日刊新周南。会員限定記事という体を取っているが、無料で見られる部分に、お相手の本名も羽生さんの結婚相手であることも公開されている。おそらく、この記事を読むために、会員登録する人がいるだろう、という浅ましい銭ゲバ根性を出したのだろう。
そもそも、日刊新周南は、発行数約10000万部(自称)の地方紙。
現代ビジネス曰く、「意外な場所からスクープが飛び出した」。その意外な場所が上記地方紙だ。
Xの引用ポストでは、概ね羽生さんの幸せを奪ったメディアに対する非難が大量に寄せられている。
犯罪を犯したわけでもない、ただ人としての当たり前の幸せを掴んだ人とその家族を執拗につけ回して離婚まで追い込んだマスゴミ、何のためにカメラとマイクを持つんだよお前ら。
今まで国旗背負って世界で活躍してくれたメダリストへの仕打ちがこれか? https://t.co/RXczqecHBR
— ダークサイドOLは苦海の淵で寂静を夢見るか (@darkOL_inkukai) November 17, 2023
地方弱小メディアとストーカー、悪いのはどちらか?
そんななか、Yahooニュースにて、社会学者・東京工業大学准教授の西田亮介氏のコメントが。
国民栄誉賞を受賞したような社会的影響力を考えると事実上の公人であり、報じられている限りにおいて地元新聞社に落ち度があったとは記事の限りにおいては考え難い。報道を受けて、ストーキングや両者に好奇の目を向け、住居や親族等に押しかけたのはメディアではなく、メディアの報を受けた人たちと考えられる。いずれにしても、地元新聞社に怒り?の矛先が向くのは筋違いに思える。なお、プライバシー尊重と知る権利のバランスがいつも重要であることについては論をまたない。
西田氏の論では、「メディア」ではなく、「ストーカー」の問題である、としている。Xでも同様のポストをしている。
メディアが報じても、読んだ人がストーキングとかしなければいいんじゃないでしょうかね。両者を峻別すべき。 https://t.co/oxdTHNg86c
— 西田亮介/Ryosuke Nishida (@Ryosuke_Nishida) November 20, 2023
西田氏の論は一面の真理がある。当然、報道されても、ストーカー行為を行う一般人がいなければこのような問題にはならない。
新周南新聞は、羽生さんの離婚の責任を問われるかは知らないが、原因であることは疑う余地がない。
『週刊女性プライム』が羽生の結婚相手について「8歳年上の元バイオリニスト・A子さん」と報じると、3日後には山口県周南市・下松市・光市のローカル紙「日刊新周南」の電子版が(中略)報じたのだ。
週刊文春の記事を読む限り、週刊女性プライムは結婚相手が誰かを取材で突き当てていた。であるならば、他の週刊誌も一定の目処を立てていたことは想像に難くないだろう。
羽生さんの事務所サイドが、箝口令を敷いていたのかもしれないし、一般人だから実名を避けた、と言う話かもしれない。その辺りの状況は不明である。
日刊新周南が実名を出したため、他メディアも実名を隠す必要がなくなった、ということではないだろうか?
もちろん、だからといって、一般人である羽生さんの元パートナーやその周辺をストーキングして良いと言うことにはならない。
しかし、その原因を作ったのは日刊新周南という、ローカル新聞社であることは間違いないだろう。
羽生さんの離婚の原因となったのだから、羽生さんの幸せを願っていた人たちから叩かれるのは致し方ないことではないだろうか?
日刊新周南が被害者面をするのは地方新聞の質の低さを物語っている
報道後、熱心なファンから『本人が名前を出していないのに、なぜ名前を出すんだ』と苦情が来たことはありました。我々からすると、なぜ結婚相手を隠す必要があるのか、まったく理解できません。
(中略)
うちが叩かれていることは把握しています。また、羽生さんがSNSで明かした内容についても把握していますが、田舎に住む我々には有名な方の感覚はよくわかりません。
ご本人は有名アスリート。しかも奥さんも芸能人です。にもかかわらず、プライベートが、プライバシーが、とメディアを批難する。羽生さんは少し前に写真集を盛んに宣伝していましたが、都合のいいときだけメディアを使い、都合が悪ければメディアのせいにする。これはいかがなものか。 そもそもこのような発表の仕方は普通なんですか。結婚発表ではAさんの名前を明かしませんでしたが、そもそも内緒にするような話だったのか。彼女はコソコソする必要がない方だと思います。立派なバイオリニストであり、田舎に帰ってくればノーギャラでも子供たちに演奏を聞かせてくれます。
素敵な女性であり、地元の宝です。ところが、彼女の名前が公になり、取材が殺到したら『じゃ離婚します』と。『いや、ちょっと待ってくれ』という思いです。我々からすれば地元の子が泣かされた。最後までAさんを守ってくれよ。男なら最後まで守り抜けよ。それが素直な気持ちです。
先ほど人権の話をしましたが、結婚相手を隠し通そうなんて女性蔑視もいいところです。女性に対して失礼極まりない。この時代に許されるのか。世間に知られたから出て行けということでしょうか。よくもまぁこれだけ女性をバカにしたことができるなと思います。ひとりの人間を不幸にしたことに対する感覚が薄すぎるのではないか。わずか3ヵ月で…。私が彼女の父親なら訴えています。彼女のお父さんのことはよく知っていますが、天国でガッカリしていますよ。大事に大事に宝物のように育てていましたからね
引用:https://news.yahoo.co.jp/articles/d1027af0169ca4a45b05a4293eedb5de82c0629a
まず、日刊新周南は色々な事実誤認をしている。これが、彼らの能力によるものなのか、メディア特有の論点ずらしによるものなのか、自己弁護故の屁理屈なのかはわからない。
1.羽生さんは有名アスリートであるが、元パートナーはSNSやホームページも消した「一般人」。
事務所に所属していたので、「元芸能人」ではあるかもしれないが、結婚当時は一般人である。
2.人気男性アイドルや俳優などが結婚した際に、過剰な反応をするファンが発生することは、ちょっと調べればわかることである。
羽生さんのファンには過激な人がたくさんいることはちょっと調べればわかることである。
「地元の宝」の実名と写真を公開しておいて、あたかも自分たちが元パートナー女性の味方であり、被害者であるかのように振る舞っているのは盗人猛々しいとしか言い様がない。少なくとも、このような被害を発生させうることは、調べればわかることなのである。
田舎者であることは言い訳にならない。しかも、この人達はただの田舎者ではない。「新聞」を標榜するメディアなのである。その責任はそれこそ一般人のSNS投稿などとは重みが違う。
3.結婚相手を隠し通すのは女性蔑視と言っているが、女性蔑視とは何も関係がない。
では、結婚相手を隠している男性アイドル、例えば香取慎吾さんは結婚相手のことを公表していないが、女性蔑視をしているのか?そんな社会通念はないだろう。
また、「男なら守り抜けよ」、と言う台詞も、男女平等の令和の世において適切な表現とはとても思えない。
4.羽生さんは「本名が公開され取材が殺到したから、ハイさようなら」ではない
羽生さんのメッセージを読めば、「外にも出られない状態を耐えていた」と言うことがわかるだろう。
5.「ひとりの人間を不幸にしたことに対する感覚が薄すぎるのではないか。わずか3ヵ月で…」
どの口が言っているのかさっぱりわからない。新周南新聞は、最低でも2人の人間を不幸に突き落とし、その周辺も不幸にした。一人の人間では済まない不幸をまき散らした原因を感じるべきは、そちらではないのか?盛大なブーメランである。
以上のことを考えると、新周南新聞を擁護するのは無理筋
当然、新周南新聞だけが悪い、とはいえない。当然、本名と写真を公開して、それをきっかけにストーカー行為をする各種メディアや狂信的なファン達も当然の様に悪い。
しかし、105日で離婚を余儀なくされたこと、「地域の宝」の幸せを奪った原因は、新周南新聞であることは疑う余地がない。
また、このローカル新聞社は報道をすることによる有料会員の1月分の会費に目がくらみ、報道を行った事による影響を考えるだけの能力もない、「メディア」とひとくくりにするには微妙な、会社である。
しかし、そんな無能な会社であってもWebメディアで新聞を標榜していると、他のメディアに対して箝口令を解除させる程度には影響を与えてしまう、という実態が明らかになった、とも考えられる。
新周南新聞の愚かな記事をきっかけに、他週刊誌が一斉に本名を公開し、記事を作成し始めたことで、事態には拍車がかかり、わずか105日の結婚生活が幕を下ろしてしまった。
この事態に、狼狽ではなく、本当に怒りを感じているのであれば、新周南新聞の記者は、人間として自分を見つめ直した方が良い。他人の不幸で食う飯は本当に旨いのだろうか?