司法・裁判

名古屋高裁村山浩昭判事の藤井浩人美濃加茂市長逆転有罪判決は自由心証主義の暴走ではないか?

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裁判で提示された証拠の証拠能力は、裁判官の自由意志により判断される

裁判の証拠について、その証拠能力を判定するには、2つの方式があります。

法定証拠主義と自由心証主義です。

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法定証拠主義とは?~恣意的ではないが拷問に結びつきやすい

法定証拠主義とは、恣意的な判断を防止するために、
判断基準を法律によって定めることです。

法律によって規定されていることから、
裁判官の自由意志が介在する余地がありません。

ただし、この方式の問題として、認定される証拠が決まっていることから、
その証拠獲得を目指した尋問や、拷問などが行われていた、という背景が有ります。(フランス革命機のヨーロッパで用いられていた方式だそうです)

 

犯罪認定に至る過程が非人道的になりやすいことから、
現代では採用されていないようです。

 

自由心証主義とは?~拷問はないが恣意的になりうる

自由心証主義では、
証拠の証明力の評価を裁判官の自由な判断に任せます。

これは日本でも法律によって規定されているものです。

 

刑事訴訟法第318条

証拠の証明力は、裁判官の自由な判断に委ねる。

 

恣意的であることを疑われるような、証拠認定

今回の、村山浩昭裁判長が逆転有罪の判決を下した根拠になったのも、
一審にて信憑性の疑われていた「賄賂を送ったとされる業者の証言」の
証拠能力を認めたゆえに発生したことです。

 

しかし、裁判を傍聴していたマスコミすら、
無罪になると考えて、無罪を前提として準備を進めるくらいには、
客観的に証拠能力がないようなものでした。

もちろん、一審でも証拠能力は認められませんでした。

 

裁判官は良心に従い独立してその職権を行なう

裁判官の職権については、日本国憲法第76条によって規定されています。

すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。特別裁判所は、これを設置することができない。行政機関は、終審として裁判を行ふことができない。

すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、
この憲法及び法律にのみ拘束される。

 

「その良心に従い独立して職権を行なう」ということが、
自由心証主義の前提にあることは、理屈の上でも、
法体系の上でもわかりやすいことですね。

このように、裁判官は普通の人が仕事中に起こすような「魔が差す」瞬間を全くもってはいけない、という責任の重い仕事です。

そのため、特別な法律によりその権利が守られているわけです。

 

検察官のプライドと数字のために証拠を恣意的に判断するのは憲法違反ではないか?

日本の法体系では、実は裁判官の暴走を防止する仕組みがほとんどありません。

裁判官は一応罷免される可能性はあります。
国会の両院の議員で組織される裁判官訴追委員会です。

しかし、裁判官の下した判例を逐一確認しているわけではないため、
これが有効に昨日はしていない状態です。

しかも、大きな裁判を除き、ほとんどマスコミの注目も集めません。

今回の藤井浩人美濃加茂市長逆転有罪判決については、
弁護士の郷原信郎氏が自身のブログやハフィントンポスト、ブロゴスなどの媒体で発信をしていることから裁判長である村山浩昭判事の名前に注目が集まっています。

 

そして、村山浩昭裁判長の下した判決が、
もし仮に検察の有罪率を99.9%で維持するために1件でも無罪判決を出したくない、という、検察組織への配慮からくるものであったり、若くして市長になり活躍する藤井浩人美濃加茂市長へのやっかみからくるものであった場合、どうでしょう。

憲法に規定されている、
「すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、
この憲法及び法律にのみ拘束される。」という点に反してはいないでしょうか?

 

結果は出てしまったので、ここから覆ることはないでしょう。

また、有罪判決を受けて、政治家として職を辞して、市民の信を問うという、姿勢を示している藤井浩人市長の姿は立派ですが、選挙費用が市民の税金から余計にかかり、市政の停滞を招く事態になっている、ということも意味しています。

 

このように、責任を負っていることを、裁判官の方には、より一層考えていただきたいものです。

 

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