メディアは叩く割に取り上げるから露出が多い
橋下徹も、トランプも、メディアでの注目の集め方がものすごく上手い。
橋下徹が言っていることが、正しいかどうかは別にして、
何を言っているのかはなんとなくわかるし、ちゃんとやりそうな気はさせてくれる、という特徴があった。
実際にわかりやすい相手を攻撃して、
わかりやすい戦果を上げていました。
同じようにトランプも
「不法移民が越えられない壁を作る」
「日本に米軍駐留経費を全額負担させる、さもなくば撤退だ」
など、
非常にわかりやすく、非常に強気な発言を繰り返していました。
このような発言は、肯定する側も否定する側も、
非常にわかりやすく、論評をしやすい、話題性が高いものです。
つまり、番組にしやすく、数字も取りやすいということで、
メディアは批判的な論調にしつつも、
頻繁にメディアに登場する、という状態になるわけですね。
そもそも、ヨイショ番組だと、なんの戦いも起こらず、
予定調和で終わることから非常に退屈ですね。
この二人共、議論になった基本的に引かずに戦うため、
番組的にも盛り上がる、なんとも都合の良い存在なんですね。
トランプは、ヒラリーとのディベートで逃げていた印象は拭えませんが。
真面目な要素を持つバラエティ番組の経験が長く、一般人にウケる
「政治家は言葉で人を動かすのが仕事」と
アメリカのヒラリー集会の感想で言ってました。
橋下徹の今までの行動を見ていたら、
正にそのように動いているのもわかるでしょう。
忘れてはいけないのは、二人共、テレビ番組で活躍していた、ということです。
トランプはビジネスオーディション番組
「THE APPRENTICE」を、
橋下徹は、
「行列のできる法律相談所」に出演していました。
2つとも、日米で人気の番組です。
しかも、ビジネスや法律という、自分の専門を活かしながら、
自分のキャラクターを鮮明にし、視聴者の認知度をぐんぐん上げていきました。
きれいな理想論を叩き、現実路線をアピール
リベラルメディアに叩かれる存在、と言うのは二人共同様です。
リベラルメディアは、きれいな理想論を掲げ、
それにちょっとでも異を唱えるひとを、まるでロクデナシのように
めたくそに叩く傾向があります。
そのため、橋下徹も、トランプも、独裁者だ、ファシストだ、差別主義者だ、と
叩かれていました。
橋下徹のトランプ絶賛に、池上彰と佐藤優が「トランプと橋下は似ている」「安倍首相も同じミニ・サルコジ」|LITERA/リテラ
たとえばこういう記事ですね。
行政は予定調和的な解を求めて、様々な権利者と調整を繰り返しながら、
カタツムリのように物事を進めていく方法と、
行政庁のトップダウンで、ある程度反対派を押さえ込み、
スピーディにことを運ぶ方法の2つがあります。
橋下徹も、トランプも、後者を好む、ということは間違いないでしょう。
そのかわり、「決められない政治」という批判からは無縁の存在です。
どうせメディアは、慎重に動いたら、「決められない政治」、
トップダウンでガンガン動くと「思慮が足りない」「独裁的」と批判しかしません。
この点はそんなに問題なく、
彼らを、法案の拒否権を使ってコントロールできる立場の
議会を動かすことが重要じゃないでしょうか。
まとめ
そもそも、議会制民主主義は簡単に独裁ができないような仕組みになっています。
行政長には、その動きを制限できる議会という存在があるわけです。
メディアは、単純明快に物事を進める、口のうまい人達を批判することで
自分たちの利益を得ようとするため、
橋下徹や、トランプを叩き、その反面彼らの露出が上がり
メディアとの対立の構図から、逆にその後の良い変化を期待させ、
支持を固めてしまう、という複雑な効果が生まれます。
ただ、有権者としては、単純明快さの良し悪しをきちんと認識して、
彼らがほんとうに愛していることが何かを確認し、
その上で応援するのか、拒否権へ働きかけるのかを決めないといけません。
今後、トランプ大統領の周囲を固める閣僚が、
議会により任命されます。
(日本と違って任命権者は議会です。大統領じゃありません)
その人選によっても、トランプ大統領が何をできるのか変わってくるので、
様子を見つつ、日本人としてやるべきことを考えたいですね。