シェアハウス

シェアハウス徹底ガイド:メリット・選び方・費用まで詳しく解説

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シェアハウスは、一つの建物内で個室以外のリビングやキッチンなどを共同利用しながら暮らす賃貸住宅です。

日本国内でも広がりを見せ、少人数から百人規模まで多様なタイプが存在します。家具家電が備え付けられた物件も多く、初期費用を抑えて手軽に入居できる点が魅力です。

私は、日本のシェアハウスに10年以上住み、過去6件、複数の管理会社のシェアハウスを経験してきました。特にトラブルもなく楽しい生活を送れたので、ぜひその良さを体験していただければと思い、記事を作成しています。

本記事では、シェアハウスの特徴からメリット・デメリット、選び方、生活のコツ、そして費用や契約面まで、詳しく解説していきます。

シェアハウスの探し方、選び方、メリット・デメリットを体験談をもとに一挙紹介!
まずはこれだけ!5分でわかるシェアハウスの探し方〜5軒住んだ人の体験談【体験談】30軒以上のシェアハウスを訪問し、5軒に住んでわかった、自分にあったシェアハウスの探し方を公開!また、シェアハウスの選び方、内覧時の注意点も説明しています。シェアハウスに興味のある人はぜひご一読を!...

シェアハウスとは

シェアハウスとは、個室をそれぞれが契約し、リビングやキッチンなどの共有スペースを共同利用する形態の賃貸住宅です。各入居者にプライベートな個室が確保されているため、完全なルームシェア(個室なしでスペースを共用)と比べて、ルールや設備が整った安心できる住まいとなっています。管理会社が物件の維持管理を行うケースが多く、敷金・礼金が不要な物件も数多く存在します。近年では、コンセプト型や大規模物件など選択肢が広がり、自分のライフスタイルや好みに合わせた住まい選びが可能になっています。

入居者は個室という私的空間を持ちながら、リビングやキッチンなどの共有スペースで他の入居者との共同生活を送ります。そのため、一人暮らしでは得られない交流や助け合いが日常的に生まれます。シェアハウスを初めて検討する方には、「ルームシェア(友人同士で一つの部屋を借りる)」との違いが気になるかもしれません。ルームシェアは複数名で賃貸契約を結ぶ形態で、個室が確保されていない場合もあります。一方シェアハウスは、各入居者が運営会社と個別に契約を結び、個室を確保した上で共用部分だけを共有する形式が一般的です。専門の管理者が入ることで、ルールや設備が整い、安心して共同生活を送れる環境が整っています。以下では、シェアハウスの具体的なメリット・デメリット、物件選びのポイント、快適な暮らし方のコツ、そして費用や契約について詳しく解説していきます。

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シェアハウスのメリットとデメリット

シェアハウスは一人暮らしにはない利点が多い反面、共同生活ならではの注意点も存在します。メリット・デメリットを天秤にかけ、自分の性格や重視するライフスタイルに合うかどうかを検討すると良いでしょう。「コストを抑えてにぎやかに暮らしたい」「多少不便でも人と交流したい」といった希望がある人にはメリットが大きく、一方で「静かに一人の時間を持ちたい」「他人に気を遣うのは苦手」という人には不向きかもしれません。後悔しないためにも、自分に合った物件選びが大切です。以下では、メリットとデメリットをそれぞれ詳しく見ていきましょう。

シェアハウスのメリット

シェアハウスに住むことには、暮らしやすさやコスト面など、多くのメリットがあります。費用を抑えたい人や新たな人間関係を求める人には特に魅力的です。

  • 住居費用を抑えられる
  • 家具・家電備え付けで身軽に引っ越し可能
  • 新しい交流・コミュニティが得られる
  • いざという時の安心感
  • 自由度と設備が充実した多様な暮らし方が選択可能

住居費用を抑えられる

複数人で一つの物件を利用するため、一人暮らし用の賃貸と比べて家賃が割安になる場合が多いです。敷金・礼金が不要の物件もあり、引越し時の初期費用が大幅に抑えられる点が大きな魅力です。水道光熱費やインターネット料金も、運営会社との共益費や定額システムによって負担が分散されるケースがあります。

家具・家電付きで身軽に引越し可能

多くのシェアハウスでは、冷蔵庫や洗濯機、調理器具などの生活設備が完備されています。個室にもベッドやカーテンが標準装備されているため、大きな家具がなくてもすぐに新生活を始められます。また、転勤や留学などライフスタイルの変化にも柔軟に対応できる点が魅力です。

シェアハウスには一般的に、冷蔵庫・洗濯機・電子レンジなどの生活家電や基本的な家具が備え付けられています。鍋やフライパンといった調理器具も揃っているケースが多く、生活必需品を一から購入する必要がありません。個室には基本的な家具が備わっているため、すぐに生活を始められます。このように引越しが身軽に済み、退去時も大量の荷物処分の心配が少なくて済みます

新しい交流・コミュニティが得られる

リビングやキッチンを共有することで、自然と他の住人との交流が生まれます。友達作りがしやすい環境で、同じ趣味を持つ人や国際交流を求める人に最適です。イベントを開催する物件もあり、趣味や仕事の情報交換など、コミュニティからの恩恵は多岐にわたります。

シェアハウスでは他の入居者とのコミュニケーションが自然に生まれ、交友関係が広がっていきます。初めての土地でも一緒に住む仲間ができるため、相談相手や遊び仲間に恵まれ、孤独を感じにくい環境です。性別、世代、国籍の異なる様々な人との会話を通じて、新しい視野や知識を得たり、人脈を広げたりする機会も豊富です。定期的にイベントを開催している物件では、入居者同士で食事会や趣味の集まりを楽しめます。このような人との繋がりが日常生活の中で自然に育まれる点は、シェアハウスならではの魅力といえるでしょう。

いざという時に助け合える安心感

一人暮らしと異なり、常に同じ家に誰かがいるため、防犯面での安心感があり、困ったときの助け合いも期待できます。留守中でも人の出入りがあることで空き巣のリスクが低下し、体調不良時には声を掛け合える環境です。

一人暮らしと比べ、何かあった時に助け合える人が身近にいる安心感は大きな魅力です。重い荷物の運搬を手伝ってもらえたり、体調不良時に声を掛けてもらえたり、災害時に協力し合えたりと、同じ家に頼れる人がいることは心強いものです。防犯面でも、留守中に常に誰かがいる環境であるため空き巣を抑止できるなど、安全性が高まります。特に初めての一人暮らしをする人にとって、これは大きな安心材料となるでしょう。

自由度と設備が充実した多様な暮らし方が選択可能

大規模物件では、シアタールーム、ジム、防音スタジオなどの充実した共用設備を完備しているケースがあります。また、女性専用や国際交流型など、特色のあるシェアハウスが増えており、ライフスタイルに合わせて多様な住まい方を選択できる点も魅力です。

シェアハウスには様々なコンセプト物件があり、自分のライフスタイルに合った暮らし方を選べます。他では得難い充実した共用設備(シアタールーム、ジム、防音スタジオなど)を備えた大型物件では、趣味や目的に応じた暮らしが可能です。楽器演奏可の物件、英語で交流する国際交流型、女性の安全に配慮した女性限定ハウスなど、自分の優先順位に合わせて選べる多様性がメリットの一つです。

シェアハウスのデメリット

他人との共同生活である以上、一人暮らしにはない不便やストレスが生じる可能性もあります。プライバシーの確保やルール面での負担を理解しておくことが大切です。

生活リズムや価値観の違い

シェアハウスでは掃除、騒音、施設の使用時間など、日常的な場面で小さなすれ違いが起きやすい特徴があります。ルールが明確に定められていても、個々の感覚や価値観の違いによるストレスを完全になくすことは難しく、お互いを理解し合う姿勢が重要です。

複数の他人と暮らす以上、生活習慣や価値観のズレは避けられません。掃除の頻度やタイミング、騒音への感じ方、生活時間帯など、自分には当たり前の習慣が他人には通用しないことがあります。共用部の使用ルールが定められていても、細かな部分での不満が蓄積することもあります。このような小さなストレスの積み重ねは、やがて人間関係のトラブルへと発展する可能性があります。シェアハウスでの暮らしでは、お互いの違いを受け入れ、時には我慢し、話し合いで解決する姿勢が必要です。

プライバシーが多少なりとも限定される

個室があるとはいえ、ワンルームを完全に借りる一人暮らしと比べるとプライベート空間は限られます。キッチンやリビングなど共用部を使用する際は常に誰かと顔を合わせる可能性があり、ストレスを感じる人もいるでしょう。

個室があるとはいえ、ワンルームの一人暮らしのような完全なプライベート空間を持つことは難しいです。部屋以外のスペースでは常に誰かしらと顔を合わせるため、気分によっては一人になれず煩わしく感じるかもしれません。また郵便物や宅配物も共有で置かれるなど、生活全般で他人の目がある環境です。特に静かに過ごしたい人や他人と関わらず自由に暮らしたい人にとっては、この点が大きなデメリットとなり得ます。自分の時間や空間をどこまで確保できるか、物件ごとのルール(個室の防音性や在宅ワークの可否など)も確認が必要です。

共有設備が完全に自分の自由にはならないため不便さを感じることも

キッチンやバスルーム、洗濯機などを共同利用するため、使いたいときに使えない不便さが生じることがあります。特に入居者が多いハウスでは、朝の支度時間にシャワーが順番待ちになったり、キッチンが混雑して料理できなかったりといったケースもあります。小規模ハウスでもお風呂やトイレが1つしかない場合は、就寝前や出勤前に使用時間が重なってしまうリスクが高いです。共有物を譲り合って使う忍耐も求められるでしょう。物件によってはシャワーやトイレを複数設置するなど対策している所もありますが、内見時には設備の数と入居者数のバランスを確認しておくと安心です

交友関係の幅と気疲れ

人と関わる機会が多い反面、常に誰かと会話する状況に疲れてしまう人もいます。帰宅して「ただいま」と声を掛け合う温かさがある一方で、その関係性を保つために気を遣う場面も少なくありません。特に大規模シェアハウスではイベントなど交流の機会が多く、内向的な人には負担に感じる可能性もあります。逆に小規模シェアハウスでは住人同士の距離が近いため、人間関係がうまくいかないと逃げ場がなくストレスになる、といった難しさもあります。自分の性格や社交性に照らして、どの程度の交流頻度が心地よいか見極めることも大切です。

ルール遵守の必要性

シェアハウスには共用部分の使い方や騒音、訪問客の扱いなど多くのルールがあります。一人暮らしより自由度が下がる面は否めません。契約時に細かい禁止事項や管理方針を確認しておくことが大切です。

シェアハウスでは各種のハウスルールが設けられており、自由気ままな生活は難しい側面があります。他の住人の迷惑にならないよう、例えば「深夜は共有部で静かに過ごす」「ゴミ出し当番を守る」「友人の宿泊は事前許可制」など物件ごとに細かな決まりがあります。自分勝手な振る舞いはできないため、ある意味では一人暮らしより生活の自由度が制限されます。入居後に「こんなはずでは」と後悔しないためにも、事前にルール内容を把握し納得できる物件を選ぶことが重要です。

シェアハウスの選び方

シェアハウスを探す際は、費用だけでなく設備や住人層、ルールなど多角的に比較することが成功の鍵です。内見や運営会社の対応などを踏まえて、自分のライフスタイルに合った物件を選びましょう。

生活ルールの確認

まず最初に、そのシェアハウスで定められているルールを把握しましょう。例えば、共用部の掃除は当番制か業者清掃か、友人を招いても良いか(また異性の宿泊の可否)、共有スペースの利用時間帯の制限、喫煙の可否など基本的な決まりをチェックします。シェアハウスごとに独自のルールが多く存在し、中には光熱費節約や近隣への騒音配慮のため入浴や洗濯機使用の時間帯を定めている所もあります。自分の生活リズムで無理なく守れるルールかどうか、入居前にしっかり確認しましょう。特に仕事などで帰宅時間が遅い人は、門限や深夜のシャワー利用制限がないか要注意です。同様に、共用部の片付け方法や消灯時間、ハウス内のWi-Fi利用ルールなども合わせて確認しておくと安心です。

立地と周辺環境

シェアハウス選びでも通常の賃貸物件同様、立地条件は重要です。毎日の通勤・通学に便利なエリアか、最寄り駅からのアクセスや終電後の交通手段はどうかを考慮しましょう。周辺にスーパーやコンビニ、病院など生活利便施設が揃っているかもチェックポイントです。夜遅く帰宅する場合は駅から自宅までの道が暗すぎないか・治安に不安がないかも確認しておきましょう。内見の際は実際に周囲を歩いてみて、騒音(踏切や幹線道路の音など)は気にならないか、近隣に迷惑な施設(繁華街や工場など)はないかなどもチェックできるとベターです。

家賃と費用負担

家賃や共益費が自分の予算内に収まるかは大前提です。シェアハウスの場合、家賃に基本的な共用設備利用料が含まれているケースもありますが、別途共益費(管理費)として毎月5,000~10,000円程度かかる物件も多いです。共益費には水道光熱費やインターネット代が含まれる場合もありますが、物件によっては電気・ガス代を定額で請求したり、入居者数で実費按分したりと請求形態は様々なので要確認です。家賃以外に毎月いくら負担があるのか明確にした上で、総額が妥当か検討しましょう。また初期費用として契約手数料や保証金(デポジット)が必要か、退去時清掃費は別途かかるのか、といった費用面の条件も比較ポイントです。敷金・礼金ゼロの物件でも保証金が家賃1ヶ月分程度必要な場合がありますが、多くは退去時に清掃代等を差し引いて返金されます。金銭面の条件は契約前に不明点なくクリアにしておくことが大切です。

物件の設備・間取り

そのシェアハウスの設備面が自分の希望に合っているかも重要です。共有キッチンの広さや調理器具の充実度、冷蔵庫や収納スペースが十分か、バス・トイレは何箇所あるか、洗面台や洗濯機の数は入居者数に見合っているかなどを確認しましょう。例えばバスルームが1つしかないのに入居者が10人もいると朝晩の取り合いが予想されますし、トイレや洗濯機も同様です。逆に大規模物件ではシャワールームや洗濯機が多数設置されている場合もあります。間取りもチェックポイントで、自分の個室の広さや日当たり、エアコンの有無、収納は十分かなど見落とさないようにします。個室に鍵が付いているか、防音性は問題ないかも安心して生活するために確認すべきです。共有部ではリビングやダイニングの雰囲気、清潔さも見ておきましょう。内見時に「写真より古びていないか」「水まわりは清潔か」「共有部が整理整頓されているか」など実際の状態を自分の目で確かめることが大事です

入居者の雰囲気・コミュニティ

そのハウスに住んでいる人達の雰囲気も、快適に暮らせるかどうかに大きく影響します。可能であれば内見時に共用部で他の入居者と少し話してみたり、年齢層や職業層を質問してみましょう。例えば学生や20代前半が多いハウスは明るくにぎやかな反面、30代以上が多ければ落ち着いた雰囲気かもしれません。自分が求めるライフスタイルと住人層がマッチしているか、運営担当者に聞いたり実際に感じ取ったりすることが大切です。また、日本人中心なのか外国籍の方が多いのか、みんなで交流するイベントが盛んなのか各自マイペースに過ごす感じなのか、といったコミュニティの特徴もチェックポイントです。「騒がしいのは苦手だから静かめな雰囲気がいい」「せっかくなら国際色豊かな場所で語学勉強もしたい」等、自分の希望に合う環境か見極めましょう。

もし、入居前にそのシェアハウスの公開イベントに参加できるようであれば参加してみるとより雰囲気が掴みやすいです。また、ごく稀に管理人や物件オーナーが気難しかったり、こだわりが強いパターンの物件もあります。イベント等の場だと、そういった人たちとコミュニケーションが取りやすいので、できればコミュニケーションをとるか、住人にヒアリングすることをおすすめします。

運営会社・契約内容の信頼性

物件自体だけでなく、それを管理する運営事業者が信頼できるかも重要です。シェアハウスブームに乗じて管理がずさんな業者も一部存在するため、契約前に運営会社の実績や対応を確認しましょう。問い合わせや内見希望へのレスポンスが遅すぎないか、質問に丁寧に答えてくれるかといった点は、その会社の信頼度を測る指標になります。

また賃貸契約書の内容が明確かどうかも重要です。契約書を交わさず口約束のみで入居させようとするようなケースは論外ですが、契約書があっても内容をよく読み、期間や支払い条件、禁止事項などがきちんと明記されているか確認しましょう。

例えばシェアハウスは基本的に契約期間が定期借家契約と普通借家契約と比べて貸主が有利な契約になっています。そのため、更新や中途解約の条件、友人の宿泊や異性訪問はOKか、家賃以外に毎月かかる費用は何か、共用施設の利用ルール(利用可能時間や有料設備の有無)、設備故障時の対応(緊急トラブル時の連絡先)まで、一通りチェックしましょう。

不明確な点が多い契約書だと後々トラブルになりかねないため、「何をしたら退去になるのか」「途中解約時のペナルティはあるか」など気になる部分は事前に質問しクリアにしておきましょう。運営会社が定期的に物件を巡回し清掃・メンテナンスしているか、入居者同士のトラブルに対処してくれるかといった体制も理想的には知っておきたいところです。評判や口コミも参考に、安心して暮らせる運営か見極めてください。

複数物件の比較・内見の活用

シェアハウス選びでも、一般的な賃貸住宅を探す時同様、一軒に絞り込まず複数を比較検討することも大切です。内見(見学)はできるだけ参加し、写真やネット情報だけでは分からない細部まで確認しましょう。

複数の物件を見比べることで「ここは部屋は狭いけど雰囲気が良い」「あそこは設備は充実しているが場所が悪い」など、それぞれの長所短所が見えてきます。実際に見て話してみると直感的に「ここなら住みたい!」と思える物件に出会えることもあります。内見時には遠慮せず気になる点は質問し、できれば他の入居者にも挨拶してみましょう。

自分に合ったシェアハウスを見つけるためには、下調べと内見による比較検討が重要です。焦らずに時間をかけて、生活するイメージが湧く物件を選びましょう。

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シェアハウスでの生活のコツ

実際にシェアハウスで暮らし始めると、ルールや他住人への配慮が求められます。トラブルを防ぎ、快適に共同生活を送るためのポイントを押さえておきましょう。

ハウスルールとマナーの徹底

シェアハウスで最も大切なのは、最初に確認したハウスルールを遵守することです。

ルールは共同生活を円滑にするための最低限の約束事なので、一人ひとりが守らなければトラブルの原因になります。例えば「夜24時以降はリビングでは静かにする」「シャワーは一人◯分以内」「ゴミ出し当番をきちんと果たす」など物件ごとに決まりがあるはずです。入居後は改めてルールを見直し、忘れないよう意識しましょう。また、ルールに明記されていない部分でも共同生活のマナーがあります。自分専有のスペースではないことを常に念頭に置き、たとえ誰も見ていなくても共有エリアでは節度ある行動を心掛けます。

キッチンで使った食器は洗い場に放置せずすぐ洗って片付ける、生ゴミは各自責任を持って管理し処理する、使用した調理器具や皿は元の場所に戻す――このように「自分だけの空間ではない」という意識を持つことが大切です。

浴室でも、排水口に溜まった自分の髪の毛は上がる際にきちんと取り除く、シャンプーや石鹸などは他人のものを勝手に使わない・自分のものは出しっぱなしにしない、といった配慮が必要です。些細なことですが、積み重ねが信頼関係に影響します。「ルールを守る」「使った所を綺麗にする」を徹底し、快適な共有空間づくりに協力しましょう。

コミュニケーションを怠らない

顔を合わせたら笑顔で挨拶をするなど、ちょっとしたコミュニケーションを大切にすると良好な雰囲気を保ちやすくなります。問題が起きたときも、早めに話し合えば深刻なトラブルになるのを防げます。

大型物件であれば、人と接しなくても行動できる動線が合ったり、立地や設備でシェアハウスを選択し、交流に重きを置かない人も増えていきます。

ただし、ほどほどの交流に留めたい人でも軽い挨拶程度はしていたほうが、円滑に生活できるのでその点は留意しましょう。

お互いの生活リズムを尊重する

シェアハウスでは自分以外の誰かが一緒に暮らしていることを常に意識して行動する必要があります。たとえば、自分にとっては休日でも他のハウスメイトには大事な仕事や試験の前日かもしれません。深夜に友人を呼んでリビングで騒ぐことは厳禁ですし、電話の通話やドアの開け閉め、シャワーの使用音なども時間帯に応じて控える配慮が求められます。

音漏れには特に気を付け、早朝や深夜は出来るだけ静かに行動しましょう。テレビや音楽の音量も深夜は絞る、イヤホンを使うなど工夫します。また、シェアハウスによっては友人や恋人を招いて良い範囲がルールで決まっています。訪問はリビングまでで宿泊は禁止、異性の立ち入り不可、といったケースも多いので、勝手に人を連れ込むのは厳に慎みましょう。仮に宿泊OKの物件でも、事前に他の住人に一言断りを入れる気遣いがあると安心感が違います。要は「自分さえ良ければ」でなく相手の立場に立って考えることが重要です。みんなが様々なライフスタイルで生活していることを忘れず、時間帯や状況に応じた行動を心がけましょう。

共有スペースは譲り合って使う

リビングやキッチン、バスルームなどの共有スペースは全員のものです。使った後は次に使う人のことを考えてすぐ片付ける、汚したらその場で掃除するを徹底しましょう。

特にキッチンはトラブルが起きやすい場所なので、調理器具や食器は使用後すぐ洗って元の位置に戻し、シンクに生ゴミや食べ残しを放置しないことが大切です。冷蔵庫の中身も自分のものには名前を書く、共有の調味料は勝手に減らしすぎない、といった配慮が必要でしょう。

清掃やゴミ出しも協力が欠かせません。当番制であれば自分の担当日は責任を持って行い、忙しくてできないときは代わりを頼む・別の作業で埋め合わせるなど、何らかのフォローを考えます。「できないから放置」では他の人に不公平ですので、そのまま任せきりにせず自分に何ができるか提案しましょう。共有部には極力私物を置かないのもマナーです。

キッチンや水回りは大型物件であれば住人の中に管理担当をおいている場合もあります。ゴミ出しや共有の調味料を、共有の調理用具をメンテナンスする係です。そのような固定の人がいるかどうか、という点を確認すると、より円滑に生活のイメージが付くでしょう。

靴や傘、雑誌など必要以上に共用エリアを占有しないようにし、掃除のしやすさや居心地の良さを皆で保てるよう心掛けます。みんなが快適に過ごせる空間づくりに貢献することが、シェア生活を楽しくするコツです。

問題は早めに管理会社に相談する

「うるさい」「掃除していない」などの不満を放置すると、人間関係が悪化する原因になります。直接コミュニケーションを取れる関係であれば、冷静に事実を伝え、相手の意見も聞きながら落としどころを探ることで解決できます。

ただし、必ずしもそこまでの人間関係が作れているとも限りません。その時は、運営会社や管理人に相談しましょう。トラブルを発生せずに解決できる可能性がたかまります。

特に、騒音トラブルや清掃負担の偏りなど、第三者を交えた方が円滑に解決しやすい問題もあります。早めに対処すれば深刻化せず済むことも多いので、「まぁいいか」と我慢しすぎないことも健全な共同生活のポイントです。

協調しつつ自分の時間も大切に

積極的にハウスメイトと関わることは大切ですが、無理をして疲れるとシェア生活そのものが苦痛になります。個室や外出で一人の時間を確保し、オンとオフをバランスよく使い分けることが快適に暮らすコツです。

シェアハウスの費用と契約

最後に、シェアハウスの初期費用や毎月の費用、契約上のポイントについて解説します。通常の賃貸契約との違いを理解しておくと、スムーズに手続きを進められます。

初期費用

シェアハウスの初期費用は一般的に敷金・礼金が不要であることが多く、普通の賃貸に比べて大幅に安く済みます。具体的には、多くの物件で前家賃(入居開始月の家賃)と事務手数料(契約事務手数料)、そして保証金(デポジット)程度が必要となります。保証金は家賃の0~1ヶ月分程度に設定されることが多く、退去時に清掃費などを差し引いて返金されるケースが一般的です。

事務手数料は運営会社によりますが、相場は数万円程度です。また物件によっては火災保険料が別途数千円かかったり、布団レンタル代などが初回のみ必要な例もあります。トータルの初期費用相場は約5~15万円前後となり、これは通常の一人暮らし賃貸物件(敷金礼金・仲介手数料・前家賃など含め30~50万円程度が一般的)に比べて非常に安価です。

例えば東京のとあるシェアハウス運営会社では初期費用を一律3万円(保証料)にしている例もあり、キャンペーン次第では初期費用ゼロやフリーレント付きで入居できる場合もあります。つまり、シェアハウスは初期コストのハードルが低く、思い立ったときに比較的気軽に引越し・入居ができるのが魅力です。

ただし、人気のシェアハウスにはキャンペーンがつかなかったり、敷金礼金が発生する場合もあります。初期費用はよく確認しましょう。

月々の費用

毎月かかる費用の中心は家賃です。家賃には先述のとおり共益費を含む場合と別途請求の場合があります。

共益費(管理費とも呼ばれます)は、共有部分の光熱水費や消耗品費、清掃費用などに充てられる費用です。共益費込みの家賃設定の物件もありますが、光熱費については物件により扱いが異なります。

一部のシェアハウスでは水道・電気・ガス・ネット代が家賃に定額込みになっており、入居者は毎月一定額を支払うだけで済みます。

一方で、共益費とは別に定額の光熱費(例えば月一律5,000円など)が請求されるところもあります。また、入居者全員で実費を頭割りし毎月変動する形をとる物件もあります。いずれにせよ運営者によって請求形態は様々なので、契約前に「光熱費やネット代は家賃に含まれるのか」「超過した場合の追加請求はあるか」など確認すると良いでしょう。

傾向として、個室に水回りがついている物件は光熱費や水道料金が実費で、共益費に含まれないことが多いです。

共益費が別途かかる場合、相場は5,000~15,000円/月程度と物件の規模や設備によって差があります。その他、駐輪場代(自転車を置く場合数百円程度)や駐車場代(車の場合1~2万円程度)が発生することもありますが、車所有者向けのシェアハウスは少ないのが現状です。

契約形態の確認

シェアハウスの賃貸契約では、定期借家契約を採用しているケースがほとんどです。

定期借家契約とは契約期間があらかじめ決まっており(例えば6ヶ月や1年など)、期間満了で一旦契約が終了する形式です。再契約(更新)も可能ですが大家側から更新しないと言われれば退去しなければなりません。

また定期借家契約では原則途中解約ができない点にも注意が必要です。契約期間内に入居者の都合で退去したい場合、残りの期間の家賃を支払わなければならないケースもあります。

もっとも、多くのシェアハウス運営会社では入居者に有利なよう途中解約条項(◯ヶ月前予告で解約可など)を設けていますが、契約書をよく読んで中途解約の条件を確認しましょう。定期借家でなく普通借家契約の物件もありますが、その場合は一般的な賃貸同様に解約通知から◯ヶ月後に退去という手続きになります。いずれにせよ契約期間と更新・解約方法は重要事項なので見落とさないようにします。

契約書の内容チェック

禁止事項や支払い条件など、契約書で定められているルールをよく読みましょう。楽器演奏やペット飼育、訪問者の宿泊などに関する規定は物件ごとに異なります。違反すると退去・違約金の可能性もあるため、必ず目を通してください。

禁止事項の確認

契約書で定められた禁止行為を読みます。典型例は「無断で第三者を宿泊させない」「共用部での喫煙禁止」「楽器演奏禁止」「ペット禁止」などです。ハウスルールと重複する部分もありますが、契約違反は最悪退去や違約金の対象になり得るため、サイン前に必ず把握しましょう。

支払い条件

家賃や共益費の支払方法(毎月◯日までに銀行振込やクレジット決済等)、遅延時のペナルティ、更新料の有無など金銭面の取り決めを確認します。シェアハウスでは更新料がかからない場合もかかる場合もどちらのケースもあります。きちんとチェックしましょう。

設備利用や緊急対応

共用施設で特別なルールがある場合(例えばシャワー室やジムの利用時間・予約方法など)契約書や重要事項説明に明記されていることがあります。また、水漏れや停電などインフラトラブル発生時の連絡先や対応フローも記載があるか確認してください。誰に連絡すればよいか分からないと困るので、運営会社の24時間緊急連絡先などメモしておくと安心です。

身分証明や保証人の有無

一般の賃貸契約より手続きが簡単な場合が多く、保証人不要のケースもあります。代わりに保証金を預けるなどの仕組みを設けている物件が多いため、契約時に必要な書類や手続きを事前に運営会社へ確認すると安心です。

違法物件に注意

極端に安い家賃で契約書がない、住民登録ができないなど不審な点がある物件は、違法な簡易宿所の可能性があります。安全面や契約トラブルのリスクを避けるためにも、実績ある運営会社や信頼できる情報サイトを通じて物件を探しましょう。

まとめ

日本国内で注目を集めるシェアハウスは、初期費用の安さや新しいコミュニティを築ける魅力的な住み方です。一方で、プライバシーやルール面で注意すべき点も多く、自分の性格や生活スタイルに合った物件選びが大切になります。本記事で紹介したメリット・デメリット、選び方や生活のコツ、費用・契約上の注意点を参考に、自分にぴったりのシェアハウスを見つけて快適な共同生活を楽しんでください。